子供を抱くために、
煙草を手放すことにした
私がCHILLERSをつくった、本当の理由
てんちむ
ヘビースモーカーだった私が、卵子凍結をきっかけに煙草と向き合い、 「吸う」という時間そのものに寄り添う1本をつくるまでの話。
メンソールがないと、
生きていけなかった
最初に正直に書いておく。
私は、ガチのヘビースモーカーだった。
メンソール一択。1日1箱は当たり前。打ち合わせ前、配信前、寝る前、起きた直後。タバコがないと自分が成立しなかった。
「いつかやめなきゃね」って言葉、たぶん20代のうちに100回は言ってる。
でも、やめられなかった。
ニコチンって、本当によくできてるんだよね。
やめたい気持ちと同じ強さで、やめさせてくれない。
「3ヶ月、
禁煙してください」
事の始まりは、2022年の夏。私は卵子凍結を、本気で考え始めていた。
理由はいくつかある。年齢のこと。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と診断されたこと。今すぐパートナーがどうこうじゃなくて、未来の自分に、選択肢を残しておきたかった。いつか子供を抱きたいと思ったときに、「もう遅い」って言われるのが怖かった。
それで、クリニックに行った。先生は、淡々と言った。
「卵子の質を保つために、最低3ヶ月の禁煙が必要です」
――3ヶ月。頭の中、真っ白になった。
正直に言うと、私はそのとき、こう思った。「恋愛で泣いたことはあんまりないけど、煙草との決別で泣くかも」って。笑い話みたいに見えるけど、本気だった。それくらい、メンソールは私の一部だった。
ニコチン離脱は、
想像の100倍きつい
2022年9月。私は禁煙を始めた。最初の1週間で、わかった。「これは無理だ」って。
イライラ、不眠、集中できない、口が寂しい、手が寂しい。何より、心の中にずっと「吸いたい」が居座ってる。
仕事中も、寝る前も、ふとした瞬間に「1本だけ......」が頭をよぎる。それで気づいた。私には、煙草の代わりになる「逃げ場所」が必要だ、って。
ガムでも、飴でも、ニコチンパッチでもダメだった。私が依存してたのは、ニコチンだけじゃなかったんだ。「吸う」という所作。火をつけて、煙を吐いて、ひと息つく、あの行為そのものに、私は依存していた。
これを満たしてくれるものを、私は探した。でも、市場のどれも違った。電子タバコはニコチン入りだったり、香りが安っぽかったり。シーシャは家で簡単に楽しめるものじゃない。
「ノンニコチン・ノンタールで、ちゃんと吸いごたえがあって、香りが本物」――そんなものは、どこにもなかった。
ないなら、
つくるしかなかった
「ないなら、つくるしかなくない?」
私の人生、何回もこう思って動いてきた。今度は、自分の卵子凍結のために動くことになった。縁あって、私はCHILLERSの開発に関わることになった。
最初の打ち合わせで、私は条件を3つ出した。
- 1. ノンタール・ノンニコチンであること。絶対に。
卵子凍結のために禁煙してる私が吸えないものなら、出す意味がない。「禁煙したい人が、罪悪感なく手に取れるもの」じゃないとダメだ、って。 - 2. 「吸いごたえ」を妥協しないこと。
ヘビースモーカーだった私を満足させられないなら、誰も救えない。本格シーシャBarと組んで、煙の量、フレーバーの厚み、キックの強さ、全部、本物のシーシャに寄せてもらった。 - 3. 「禁煙できます」とは絶対に言わないこと。
これは私の強いお願い。だってそれは医薬品の領域だから、嘘になる。CHILLERSは薬じゃない。禁煙したい自分の、ただの伴走者。そう言える商品にしたかった。
試作のたびに、
「これじゃない」を繰り返した
最初の試作品は、正直、ぜんぜんダメだった。吸ってみて「これじゃカフェの味じゃない」って何回もキレた。(開発の人たち、本当にごめんなさい。でも妥協できなかった)
煙が薄ければ「吸いごたえがない」、強くすれば「香りが飛ぶ」。甘くすれば「人工的」、抑えれば「物足りない」。ヘビースモーカーだった私の感覚と、シーシャBarの本物の味と、ノンニコチンという制約を、ぜんぶ満たす1本に辿り着くのに、何ヶ月もかかった。
そうしてようやく、CHILLERSが完成した。
そして、
卵子は凍った
2023年2月。私は、卵子凍結の手術を受けた。麻酔から目覚めたとき、私は号泣した。
3ヶ月どころか、5ヶ月。私は煙草と離れていた。あの夏、「無理だ」と思った禁煙を、私は越えていた。その横にずっとあったのが、CHILLERSだった。
吸いたくなった夜、寂しくなった瞬間、不安で眠れなかった夜。「これがあるから、私は煙草に戻らずに済んだ」そう、心から思える1本だった。
誰に届けたいか
これを届けたいのは、過去の私みたいな人。
- 本気で禁煙したいけど、何度も挫折してきた人
- 卵子凍結や妊活で、禁煙を医師に言われた人
- タバコをやめたいけど、口寂しさをどうにかしたい人
- 「吸う」という時間そのものを、自分に許したい人
CHILLERSは、煙草の代わりじゃない。煙草と別れる時間に、寄り添ってくれる、ただの一本。「禁煙できますよ」って甘い嘘は言わない。でも、「あなたが煙草と別れたい夜に、ここにいるよ」とは言える。
最後に
私は、卵子凍結のために煙草を手放した。そして今、その卵子は、いつかの私のために凍ったまま眠ってる。煙草と別れるって、たぶん、人生で一番むずかしい別れのひとつだと思う。
でも、別れた先には、自分が選びたかった未来があった。CHILLERSは、私がその別れを越えるために、本気でつくったもの。だから、これを読んでくれているあなたが、もし今、何かと別れたい夜にいるなら、私は静かに、こう言いたい。
無理しないでいいよ。
でも、隣にいるよ。